声・まっくら森

天寧煌子の文章置き場(主に詩)

人生

終わりの始まり ―ドナ・ウィリアムズに贈る―

あなたを知ったときわたしと思ったあなたはわたし それからあなたの示したわたしを探しに旅立っていった遠くへ 遠くへ…… わたしがわたしになる大地を見つけたときわたしを知らないあなたに橋をかける明日がくるかもしれないと道を急いだ けわしく終わりのな…

うつわ

これだけ これがすべて これしかない これでなければ これいがいは ありえない うつわ をほうって かわりの うつわ をさがしながら これしかない うつわ もやっぱり かかえて かわりの うつわ をもとめる (2018.4.20) -----------------------------------…

出現

魅せられるままの導きは 転がる種に絨毯を敷いて 大地に錨を降ろした 地面に空に 繁茂する 無数の根 のびる枝 ふえる葉 蔦はからまり 苔まで生えた あの木になることも その木になることも できたのに 木はこの地に姿を現し 種の転がる先を果てまで描いて 深…

きみがいなくなったら

愛する人が死んだときは死なねばならぬと むかし愛した詩人がいった もし きみがぼくを置いて どうしてもぼくのなかから消えるというなら ぼくはぼくをくびるかわりに きみをこの手に生み出しましょう どこにもいないきみのうたを ぼくのうちに咲かせましょ…