地底の声

世の中からズレてる人の書いたもの(詩・エッセイ・日記など)

手記

〈自己愛〉と〈他者愛〉のはざまで(6) 詩:〈敵〉と〈味方〉

E氏と対決した。 偉そうなことをまくしたててしまったかもしれないが、懸命に意思表示した。 E氏の立場として、そういうふうにしか生きられなかった、と判明した。 和解した。誇りを感じた。 こうして私は、クリニックを辞めた。 〈敵〉と〈味方〉 ありのま…

〈自己愛〉と〈他者愛〉のはざまで(5) ゾンビの影たちとの闘い

A氏に相談した。詳しくは書かないが、暴力について「あること」を言われ、胸が張り裂けるような思いをした。 衝突した。その人は、浅薄な解釈で、「あること」を言ったにすぎなかった、と判明した。和解した。 A氏にも、E氏にも、悪気はまったくなかった。 …

〈自己愛〉と〈他者愛〉のはざまで(3)世間の「愛」の認識

加害がなぜ「愛」とみなされるのか? という素朴な疑問 他人の生理的な、自然な反応を、攻撃して抑えつける。他人の思考や行動を強引に決めつける。やってもいないことを「やった」とか、やったことを「やっていない」とか。冤罪をつくる検察官まがいに、恫…

〈自己愛〉と〈他者愛〉のはざまで(2) 詩:ゾンビ

私は国際情勢に詳しくないので、ウクライナ侵攻に関して、マクロな面で意見する知識は十分に持っていない。が、関係の記事を読む限りは、私の体験した問題に通じる部分はあると感じている。 ロシアの精神的な大地。アイデンティティ。つまり〈わたし〉のアイ…

〈自己愛〉と〈他者愛〉のはざまで(1)愛と暴力

半年ほど前、身近な人(父)から暴力を受け、心を支えるために、手記(100頁ほど)を書いていた。感覚過敏でパニックを起こしたのが発端にある。 身近な人 E氏(医者)に相談したが、それは「愛」と言われ、いよいよ追い込まれた。(検索されたくないので、…

〈特殊〉と〈一般〉のはざまで ―文芸社の講評に寄せて―(7)

まなざしとまなざしの交錯 精神保健関係の施設で話を聞いてもらっている人がいた。もはや味方は、その人しかいなかった。 精神科のシンラツ先生は、こう教えてくれた。ふんぞり返って、声のシャワーを浴びせかけるように、奔放にしゃべるが、すこしも傲慢を…

〈特殊〉と〈一般〉のはざまで ―文芸社の講評に寄せて―(6)

私に大通りは似合わない ところが今度は、「マジョリティに向けて広く、わかりやすく!」という理想を目指すミカンさんと、決裂していくことになる。 ミカンさんには、発達障害の家族がいる。その人のことが「わからない」という。だからこそ、同じ事情を抱…

〈特殊〉と〈一般〉のはざまで ―文芸社の講評に寄せて―(5)詩「ゆるして」

ゆるして 私の命は許されていない。社会からも。自分からも。 「もう、許してほしい」と、神に祈った――。 【ゆるして】 ゝ ひとひらの風が 窓枠に触れる ゝ 部屋を撫で さらう波が ゝ 沈殿する波と 絡まり合い ゝ 揺蕩いひらく ありのままに ゝ 巻き上がり …

〈特殊〉と〈一般〉のはざまで ―文芸社の講評に寄せて―(4)詩「打ち下ろす槌に」

燃え尽きて 命を賭けていた。森口さんが命を賭けて書いたように。失われた人間の尊厳を取り戻し、社会で生きる権利を確立するために。 人間の尊厳、命の尊厳とは何か? 社会的に抹殺された人の存在が、私には支えだった。裁判をする人の気持ちがわかった。ハ…

〈特殊〉と〈一般〉のはざまで ―文芸社の講評に寄せて―(3)

〈自分の部屋〉を〈通路〉の一部にしたくない 『マイノリティ・センス』がおおかたできあがった時、下読みした人の評価はさんざんだった。重い。暗い。わかりにくいと。読んでもらえない人が半数いた。そもそも「読めない」というのだ。 本の内容自体に関し…

〈特殊〉と〈一般〉のはざまで ―文芸社の講評に寄せて―(2)

オーダー・メイド 私が直面している発達障害の問題もそうである。 私の問題と需要を解決できる情報が、世の中にはない。世の中の問題と需要を解決できる情報が、私の中にはない。私の問題と需要は、世の中の問題と需要とは重なり合わない。“ちょっと”はある…

〈特殊〉と〈一般〉のはざまで ―文芸社の講評に寄せて―(1)

〈特殊〉vs〈一般〉 文芸社の講評を読んで、まず目に飛び込んできたのは、「全国流通を目指していただける内容」という文字だった。 「無理」だと思っていた。「それを目指しては私が潰れてしまう」と思っていた。 その理由を整理してみる。 〈特殊〉vs〈一…

執筆中の自著の講評に”言葉を失う”ほど震撼した 詩:ただ一人の観客へ

東京オリンピックが閉幕し、新型コロナウイルス第5波が落ち着き始めた2021年初秋。一通のレターパックがポストに入っていた。文芸社から届いた、聴覚過敏手記『マイノリティ・センス』の講評だった。 この春、文芸社主催の自分史大賞「人生十人十色大賞」に…

ひきこもり支援者とのやりとり 詩:ひきこもり四字熟語

以下は、最近できた自家製本を、あるひきこもり支援者に見せた時のやりとりです。 アゴウさんと6年ぶりに再会 ひきこもりサポーター養成講座に出るため、××センターに向かう途中、堤防沿いの道路で工事をしていて迂回させられた。早めに到着してアゴウさん…

自分の世界を描いた詩:大いなるものへ

このブログはほとんど見ている人がいないので、気が乗らず放置していたのですが、半年ぶりに更新します。 私の世界 このエピソードはいずれ私のもう一つのブログで書きたいですが、中学1、2年生の時、突然強烈な自我が芽生え、「自分の世界」をもったこと…

手記:『踏まないで!』第11章 高木さんとの対話

※この原稿は、現在執筆中の手記『踏まないで!』の一部分です。 新ブログ ↓ にも投稿しました。 roots-amanekouko.hatenablog.jp 1 梅雨の季節真っ最中で、雨が降り続き、蒸し暑い空気が肌にまとわりついていた。二〇××年六月末日。毎月、石津宅で行われて…

手記:『踏まないで!』序章から 「落日」

※この原稿は、現在執筆中の手記『踏まないで!』の一部分です。 新ブログ ↓ にも投稿しました。 roots-amanekouko.hatenablog.jp 二〇××年一〇月のある日、Jワークスの機械室で、私は何度目かのパニック発作にのみ込まれていた。 そこは、無機質なコンクリ…