声・まっくら森

天寧煌子の詩置き場

日々雑々

晴れ間の急迫

行かなくてはならないわたしの足どりは重い過去の亡霊が立ち上がってくるその亀裂が生じる瞬間がまるい調和のなかからぎらと顔を突き出すのが見えてしまうから晴れた空が突然かげり雨降る間もなく稲妻が落ちてくるその急迫が光るのを鮮烈に感触するから (20…

胸騒ぎ

あまりにもまるい達成が続くのでもしやあなたを押し切ったままひとり得意の終止符を発行してすましているのではないかと疑念がさわいでおります あなたが少しばかり口をひらこうともさらにもの言いたげな峻烈の物語が角張らない笑顔の後ろに匿われているので…

蟻の欠落

蟻は山の巨大を知った 蟻は体の小粒を知った 歌を歌えば歌うほど 歌は足りない 言葉を手繰れば手繰るほど 言葉は足りない 捻りなく ただありのままをかたどるだけが 蟻の仕事だった ときには己の住処さえ うっかり零してしまうこともあった 勢いばかりの野暮…

こよい本ができる

こよい手製の 本ができる めんどくさい 階段ひとまたぎの てっぺんを ぐわっと たぐり寄せたい (2017.6.27)