詩:こだわりのむすびめ
ころんでぶつかってひっかかって
むすびめふやしてこだわって
ほどこうともがいてつまづいて
ながしなさいわすれなさいと
かんたんにひとはいうけれど
たくさんのがぞうやきつけられる
たくさんのきおくがいきつづける
あたまのみょうにかっせいかした
へんてこなきのうどうしたらいいの
きえないえいぞうどうしたらいいの
こんらんするかんかくのうえに
おとがこえがえいぞうがうごきが
じょうほうをふやしつづけて
きょぜつのしんごうびんかんに
しょくしゅをのばしたしんけいに
びりびりびりとながれてくる
からまるいとのうえにまたひとつ
まるいむすびめゆびでなぞって
ひとつひとつかたまりにふれるたび
りょうてでひっしにほどきにかかる
(2015.12.19)
『声・まっくら森』収録