声・まっくら森

天寧煌子の詩置き場

世界

巨大なうねりが追いついて

身体を包み込んだけど

私に触れることはできない

閉ざされた2つの扉

帰ろうときびすを返す

ももうそこには何もない

見捨てられた赤子のように

まっさかさまに落ちていく

"はざまの世界"へ・・・

 

ありのままにあるうねり

ぼやけた輪郭に夢をみた

こころはあなたのイデアを宿し

虚空に鮮やかに映し出した

手を結んでもう二度と離れない

けれども私は知らなかった

あなたがいると思っていたのに

 

巨大なうねりが追いついて

身体を包み込んだけど

私に触れることはできない

うねりにのまれて生まれるこころ

それはあなたのうつし鏡

こころが創ったあなたの似姿

こころが宿したあなたの原型

私のすべてを支配した

うねりにのまれて生まれたこころ

 

巨大なうねりが追いついて

身体を包み込んだけど

私に触れることはできない

置き去りにされた記憶が

忘れられた望みが見失った夢が

形のない黄色い未曾有の混沌に

未分化の原核に分裂した

閉ざされた2つの扉

喪った感覚に流れるこころ

うねりにのまれて生まれたこころ

 

(2015.12.19)