声・まっくら森

天寧煌子の詩置き場

ほんとは君を恨んでいるんだ

怒りの炎に鎮魂を

微かな火の粉は消滅しても

握りつぶした業火は

掌から放たれ再び羽ばたく

 

君たちに注ぐ穏やかな眼差し

目の奥に眠る揺るがぬ記憶

気づけば内向いて打ち殺す

憎き自分に制裁を・・・

 

握りつぶした業火は

再び燃え盛り鞭を捕る

「ほんとは君を恨んでいるんだ」

ほんとは世界中の君を・・・

 

私を苦しめ安息を奪った君を

何も知らず我正しいと笑う君を

悲鳴を聴く耳無く踏みにじる君を

黒い記憶の干からびた主を

 

鞭の絡まった肢体の傷に

注ぐ血を君に浴びせる

混じり流れる涙はなんのため?

歪む空を眼を開き問う

 

それでも奇跡の邂逅は

生まれいづる新たな記憶

取り交わされる手と手

微笑みに映す無邪気な君の姿

 

消えたい

忘れたい

泣きたい

赦したい

 

(2015.12.20)

『声・まっくら森』収録