声・まっくら森

天寧煌子の詩置き場

誤解

「なんともない」よう取り繕った技巧の数々が

「目立たぬ」よう塗りたくった保護色の数々が

「人並みになる」よう蓄積した知識の数々が

「悪いところを直す」よう訓練した反射神経の数々が

「まともになる」よう刻苦精励した経験値の数々が

 

ふつうを演じた手練手管の展覧が

千手観音の手さばきに結んだ見目麗しい映像が

向上の頂に積み上げた配慮の羅列が

 

あなた方を惑わせる

 

(2015.12.20)

『声・まっくら森』に収録