声・まっくら森

天寧煌子の詩置き場

知らせ

縁なき後も消しあぐねていたアドレスを

思い切って棄てた直後に知らせは来た

葬儀場に駆けつけたとき

あなたは花に囲まれて

人々の涙のなかに咲いていた

長い年月見なかったその顔は

確かにあなたで

女神のように美しく

重い安らぎに胸を衝かれた

 

愛する人に忙しく

あなたはわたしを忘れてしまったかもしれないが……

わたしはいつまでも覚えていて

どうして逝く前に一言声をかけてくれなかったのかと

涙にくれた

 

困難に打ちひしがれるわたしに

あなたは知恵を与えてくれた

それが最後とはつゆも知らずに

 

人々に素晴らしく愛され

人々に素晴らしく惜しまれた

あれほど高い魂を持ったあなたが死ぬなんてありえない

けれども

あれほど高い魂を持ったあなただからこそ

ときが来ていたのだと

今ではわかる

 

あなたはわたしを忘れてしまっただろうが……

もう一度 教え示してください

わたしはいつになっても

あなたに顔向けならないままでしたが。

 

(2016.1.1)

『声・まっくら森』に収録