2017-06-12 詩:記憶の鎖 詩 PTSD 心の深手を背負ったまま 言葉を操り書くことも 歌うことも踊ることも 涙を流し悲しむことも禁じられ 空想の檻に閉じ込められて 記憶の中で自傷する君 人間らしさを奪われて 気が遠くなるほど長い年月 頭でさまよった反復の日々 どうかほんの少しずつでも 話してほしい泣いてほしい 表現を怖れず開いてほしい 冷凍した記憶を温かくほどき 溶かして再び生きてほしい (2016.1.20) 『声・まっくら森』に収録