声・まっくら森

天寧煌子の詩置き場

これっぽっちのゆたかなる

ふと 命綱を切り離した

白く照らし出されたフロアに満ちるわざわいは

無関係のまま皮膚に調和した

 

むかしは幸せでも不幸せでもなかった

ささやかなひとときは

ありのままでいられると よろこびの声を上げた

 

ふと 命綱を切り離した

白く照らし出されたフロアに満ちるわざわいは

ひとときの浸透に寝入った

 

たったこれっぽっちのあたりまえよ!

たったこれっぽっちの

ゆたかなるさいわいよ!

 

(2016.1.20)

『声・まっくら森』に収録