地底の声

世の中からズレてる人の書いたもの(詩・エッセイ・日記など)

詩:きみがいなくなったら

愛する人が死んだときは死なねばならぬと

むかし愛した詩人がいった

もし きみがぼくを置いて

どうしてもぼくのなかから消えるというなら

ぼくはぼくをくびるかわりに

きみをこの手に生み出しましょう

どこにもいないきみのうたを

ぼくのうちに咲かせましょう

行ってしまったきみの息吹を

残されたぼくに注ぎましょう

生きるほかはないのですから

生きるほかはないのですから