2019-11-07 詩:かなしい蟻 詩 かなしい蟻よ どこまで登る 山の頂 いよいよそびえ 足下の土 ぽろぽろ落ちる かなしい蟻よ それでも行くか はためくしるし いよいよ遠く 地は天のもと 引き離される かなしい蟻よ しりもちついて よいこらしょっと 立ち上がるなり 再び細い 足を差し出す かなしい蟻よ 歩くしかない 千里の道に 眼注げば 日当たりまばら 刻む足あと (2016.7.6) 『声・まっくら森』に収録