私は、「〈自己愛〉と〈他者愛〉のはざまで」を、ためらいながら、書いている。 「渦中」で言語化するのは、難しい。 私は、自己表現は得意な方だが、肝心なことは、相当の時間を経なければ、言葉になって出てこない。 そして、強烈な罪悪感がある。 私が父…
なんやねん だれやねん そういうわれは なんやねん わいのこと なんやおもてんねん わいのこと なにしっとんねん いっこ?じっこ?ひゃっこ? もっとあるわい わってもわってもわっても わいおるさかい おもいきや おらんかもしれへんさかい じしんなくなっ…
E氏と対決した。 偉そうなことをまくしたててしまったかもしれないが、懸命に意思表示した。 E氏の立場として、そういうふうにしか生きられなかった、と判明した。 和解した。誇りを感じた。 こうして私は、クリニックを辞めた。 〈敵〉と〈味方〉 ありのま…
〈争いによって 生 を望む者もいれば 死 を望む者がいてもおかしくない この杣道は 通った人にしか わからない〉 岡本太郎の遺伝子 命かけてうたう artの革命家よ 宇宙に迸る あなたの息吹が わたしを覚醒させた けれども誘爆する魂よ、 もし パンドラの箱を…
A氏に相談した。詳しくは書かないが、暴力について「あること」を言われ、胸が張り裂けるような思いをした。 衝突した。その人は、浅薄な解釈で、「あること」を言ったにすぎなかった、と判明した。和解した。 A氏にも、E氏にも、悪気はまったくなかった。 …
異化には理由がある ひとりひとりに理由がある―― 何年前だったか、の 遠い昔 あれは違う、これは違うと、 会う人会う人に アナフィラキシーショック の電流を受けて 竦み上がっていた 違和感の看守が わたしを牢獄に 連れ戻し もう一歩も出られなくなった 会…
【注意】 私が家の問題を書くと、刺激の強い記事になってしまい、申しわけありません。 気が弱っている時は、あまり読まないよう、注意してください。 1年前、攻撃を快楽にしているサディスティックな父、そしてE氏の「それはあなたのため」という言葉のお…
贔屓が グループに入っていたから みんなが好きになった けれども ひとりが異様にまばゆく みんなも 贔屓すらも 背景になり 搔き消された そのひとりだけが 目に 耳に 浮き出るように 飛び込んでくる どうやら墜ちてしまったらしい 意図するでもなく 手足は…
加害がなぜ「愛」とみなされるのか? という素朴な疑問 他人の生理的な、自然な反応を、攻撃して抑えつける。他人の思考や行動を強引に決めつける。やってもいないことを「やった」とか、やったことを「やっていない」とか。冤罪をつくる検察官まがいに、恫…
私は国際情勢に詳しくないので、ウクライナ侵攻に関して、マクロな面で意見する知識は十分に持っていない。が、関係の記事を読む限りは、私の体験した問題に通じる部分はあると感じている。 ロシアの精神的な大地。アイデンティティ。つまり〈わたし〉のアイ…
半年ほど前、身近な人(父)から暴力を受け、心を支えるために、手記(100頁ほど)を書いていた。感覚過敏でパニックを起こしたのが発端にある。 身近な人 E氏(医者)に相談したが、それは「愛」と言われ、いよいよ追い込まれた。(検索されたくないので、…
(おまえが悪い んじゃない こんがらがった糸が 悪いんだ) 長い 長い争いは 鎧に覆われた 懐の内側に 深手を負わせた 血の滴る 鉄錆の心臓を みずからの手で 切り裂きながら (いつか 縫い合わせるのだ) (深手を負ったのは おまえだけではない) 色めく …
私は家族に暴力を振るったことがある。それは悪だった。暴力を肯定しているわけでは決してない。 ただ、密室で暴君化した人々の行動原理を想像してみてほしい。「暴れる」には、「そうならざるを得なかった経緯」「そういう衝動に至った背景」が必ずある。 …
代々結び目をつくる 根の先端のある家で 私は私を組織する 傷の修復 武器の研磨 空腹の解消 ――でも 包み込む布団が 絞め上げたら―― 育んだ土が 生き埋めにしたら―― 緑の源泉が 毒を流し込んだら―― 組織する栄養が 牙を剝いたら―― ――風雪から守る 屋根が あぁ…
何十年も前から言われてきたことだが、発達障害の子どもを持つ親、とくに母親の苦しみは、想像を絶する凄惨さである。森口奈緒美さんの『自閉女の冒険』を読めば、明らかである。私の母は、知的な困難があるので、そのような葛藤はたまたま免れたものの、父…
考えると詩が書けないよ、と 詩を書くひとがいった なるほど考えていると 詩が書けない わたしは欲張りだから 感じたい 考えたい どっちもやりたい どうしよう? 考える 割り切れない 答えは出ない 時間も気力も体力も 消耗する でも巨きな鉱山の 洞窟で 先…
夜がひらき 落下する 瞑目 憩いの黄泉に横たえる 肢体の門に 引転する 幽かな知らせに 識る 探照灯が 浮き、沈み、 沈み、浮き、 浮いて、浮いて、 浮いて、いく 唯識の明滅が 闇夜の溶けた 黎明へ―― 閾の水面から 面を上げれば 地上の墓地 閂の落ちた 霊廟…
――空孔ヨ、私ヲ呼ベ 魂鳴りの奥の 重心に居座る カルデラは巨きく 火口を開き 肉厚の ヒタヒタ震える 深淵、爆発の呼気の 発炎筒に 空隙の椅子は 背を待っていた ――空孔ヨ、私ヲ満タセ ある時 君が座ると 日溜まりは注がれ カルデラの口を埋めた 背凭れの形…
神よ たとえあなたが見えなくなっても この祈りを許してください 神よ たとえあなたの声が聞こえなくとも この祈りを聞いてください 神よ たとえあなたがいなくなっても この祈りを残してください 神よ たとえあなたがまぼろしであっても この祈りを届けてく…
硬く鋭く 己を掘り出す鑿の刃先は 絶つことによってしか 永遠に 我が骨に到達できないであろう (2016.11.28)
かすかなひび割れの底から地獄が這い出してきた。 平静の裏に押し込めた記憶が悲鳴とともに躍り出て。 塔から見つめる暗闇は彼方まで続いていた。 声にならない唸りを上げて、ぞろぞろと列をなしていたのだ。 ここまできてはいけないよ、時々見張っているけ…
〈ピー〉のなにがわかる? 〈ピー〉のなにを知っている? 〈ピー〉を聞いただけで耳を塞ぐ きみは 〈ピー〉だ 〈ピー〉を書いたひとは 何十年も 〈ピー〉のなかで 〈ピー〉にひっぱり回され 〈ピー〉にひっかき回され 〈ピー〉にひきずり下ろされ 〈ピー〉に…
壮大な 幻の風船が弾けた 中身は見事に塵芥 残るがらんに赤面の体 そうだ、そうだ、それでいい 流れ着いた終末の明日に弾けていたのでは とっても耐えられるまい、さ…… それでも昏い感傷は 懲りずに夢をみるようにできているらしい とどまるところを知らない…
くるひもくるひも めらんこりいのかげが のべつまくなし うってゆく このみちのさきにのみ こたえにいたるもんはある わたしはそれを しっている ゆこう ゆこう ゆううつを ときどきは ささえるものが あるまいか ゆううつのうみは とてもしょうもうするから…
橋本正秀「サミュエルを庵に閉じこめたとき+スティグマ」 これはもう一夜の夢のようなお話。竹林の中に忘れ物のように佇んでいる小さな物置でのお話。奔放な竹に囲まれた一隅での物語。 サミュエルを庵に閉じこめたとき 僕に向かって咆哮するだろうか? サ…
「地底の声」へようこそ このサイトは、kouの書いたもの(詩、エッセイ、手記、日記、感想などの文章)を発表する場です。 「全生命が瞬間にひらききること。それが爆発だ。その生き方こそが芸術だ」 岡本太郎の言葉に背中を押され、存在の基底に横たわる、…
足音たかく 雪崩れる嵐に乗って 賊の頭巾をかぶった隣人が 柵をまたぐ 花壇の若芽を 踏み荒らし 扉を蹴破りざま きみの鼓膜の奥にするどく 怒号する 〈俺の家のものになれ!〉 〈俺の家になれ!〉 〈俺になれ!〉 散乱する家具 きみは背後のない壁を後じさり…
男の顔に袋が被(かぶ)さっている。首まですっぽり嵌(は)まっている。袋の口は中途半端に開放され、風に揺れてビラビラしている。 ビニール袋のようだが、もっと透明で、景色がよく見える。音もクリアに聞こえる。このままテレビや映画や音楽を楽しむこともで…
まなざしとまなざしの交錯 精神保健関係の施設で話を聞いてもらっている人がいた。もはや味方は、その人しかいなかった。 精神科のシンラツ先生は、こう教えてくれた。ふんぞり返って、声のシャワーを浴びせかけるように、奔放にしゃべるが、すこしも傲慢を…
私に大通りは似合わない ところが今度は、「マジョリティに向けて広く、わかりやすく!」という理想を目指すミカンさんと、決裂していくことになる。 ミカンさんには、発達障害の家族がいる。その人のことが「わからない」という。だからこそ、同じ事情を抱…