足音たかく 雪崩れる嵐に乗って 賊の頭巾をかぶった隣人が 柵をまたぐ 花壇の若芽を 踏み荒らし 扉を蹴破りざま きみの鼓膜の奥にするどく 怒号する 〈俺の家のものになれ!〉 〈俺の家になれ!〉 〈俺になれ!〉 散乱する家具 きみは背後のない壁を後じさり…
男の顔に袋が被(かぶ)さっている。首まですっぽり嵌(は)まっている。袋の口は中途半端に開放され、風に揺れてビラビラしている。 ビニール袋のようだが、もっと透明で、景色がよく見える。音もクリアに聞こえる。このままテレビや映画や音楽を楽しむこともで…
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