詩:修羅の祈り
わたくしは争いに明け暮れました
十字架の重みにひしがれて
遂にひらたい原生動物となり
地べたを這いずっております
見下ろすことのない一つの目は
固定された視界で 局限された風景を
眺めるしかございません
灯台よ あなたはその明晰な眼光で
空からわたくしのうごめく全容を
あきらかに象ります
灯台よ あなたの視線は
世界をくまなく網羅するほど高いのです
しかし修羅の道は
地を這うしかないものであります
わたくしは登りましょう 這いながら
偽足をあなたの壁に伝わせながら
灯台よ あなたの見開いた目をわたくしの
淀んだ半眼にはめこみましょう
けれども もし失敗した暁には
灯台よ わたくしは修羅の祈りを
あなたの頭上に掲げましょう
(2018.9.4)
-------------------------------------------------------------------------------------------
【ひとこと】
修道士臭が抜けない。いいのか。悪いのか。