詩は、文学は、すべてウンコだというのか…! 詩:私の詩なぞ
詩を書いているFさんから電話がかかってきた。
「ウンコの詩、××誌に載せていい?」
「えぇ!?」
ウンコの詩とは、私が自分の詩をクソみたいに厭う感情から生まれた「私の詩なぞ」という作品。
あまりにもひどいので、とても人様にお見せできないお蔵入りの詩である(でもこっそり出版した)。
「あんなクソみたいな詩をですか!? よりにもよってあんなんをですか!?」
「なにクソっていうエネルギーは大事」
「そりゃまあ、そうですけど…」
「谷川にもウンコの詩がある。岩波文庫で」
「あの谷川俊太郎が、クソを、ですか?」
「ウンコは希望。文学的エネルギー」
「希望!? 文学!?」
なんと詩は、文学はすべて、森羅万象を己の体内で消化し排出せんとするウンコ・エネルギーだったのか……!
私は一瞬クラクラした。自分の作品がすべてウンコに見えてきた。
そして早速、このうさん臭い話をブログにウンコすることにした。
*
今回は汚い話で失礼しました。
【私の詩なぞ】
痛い・暗い・希望がない
でっかいウンコのような
私の詩なぞ見たくもない
出たら出たで知らんぷり
けれども吐き出すことで
病を和らげたとうとい娘
それなりに綺麗なかたち
整えるために手入れした
それでもやはり用済みさ
でっかいウンコのような
私の詩なぞ見たくもない
出たら出たで知らんぷり
けれども吐き出すことで
病を和らげたとうとい娘
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・(endless)
(2017.5.8『声・まっくら森』収録)
2021.3.22