地底の声

世の中からズレてる人の書いたもの(詩・エッセイ・日記など)

詩:囲う家

代々結び目をつくる

根の先端のある家で

私は私を組織する

傷の修復

武器の研磨

空腹の解消

 

――でも

包み込む布団が

 絞め上げたら――

育んだ土が

 生き埋めにしたら――

緑の源泉が

 毒を流し込んだら――

組織する栄養が

 牙を剝いたら――

 

――風雪から守る 屋根が

 あぁ、重い、重い、

――盗人の侵入を防ぐ 壁が

 あぁ、きつい、きつい、

 

地縛霊のように

床板に縫いつけられて

金縛りの夜驚が

厚い壁を震わす

 

あの軽やかな空気を

自在に運んでくる

窓があったら――

錠の外れた

敷居の跨ぐことのできる

扉があったら――