地底の声

世の中からズレてる人の書いたもの(詩・エッセイ・日記など)

〈自己愛〉と〈他者愛〉のはざまで(3)世間の「愛」の認識

加害がなぜ「愛」とみなされるのか? という素朴な疑問

 他人の生理的な、自然な反応を、攻撃して抑えつける。他人の思考や行動を強引に決めつける。やってもいないことを「やった」とか、やったことを「やっていない」とか。冤罪をつくる検察官まがいに、恫喝して、罪の自白を強要しようとする。ヤクザまがいに脅迫する。

 無理やり押し倒す。引きずり回す。体内(口)に侵入する。痣をつける。逃げ道を絶ち、望まぬコミュニケーションを強制する。何時間も拘束する。弱点のある体の部位(耳元)を狙って、「おまえなんで生きてるんや!」と怒鳴る。

 私が事実を指摘すると、否認する。「自分の対処は正しい」と正当化する。あげくの果てに、病気にする。

 

 こんな行為の、どこが「愛」か。「心配」か。理解に苦しむ。

 私ははじめ、取るに足りない偽善だと思っていた。が、E氏は、つまり世間は、大まじめに、そう考えているらしい。

 

 それから、「愛」という言葉に抵抗を覚えるようになった。敵の神を撃つなら、「愛」に照準を定め、解体する必要がある。

 今、私は、ようやくにして、背後にある家父長制を発見した。なんと無知だったことだろう。

 

ひきこもり問題のミッシングリンク

 余談。

 とあるひきこもりの親は言う。子どもも親も事例が幅広すぎる。共通課題がないと。私は、自分の体験を通して、家庭問題がミッシングリンクになりうるかもしれない、と考えるようになった(確証はまだない。直感でしかない)。

 

 市場や社会の問題が、家庭というブラックボックス、私的領域にしわ寄せされる。親は、市場で強くあらねば、子どもを市場に送り出さねば(戻さねば)というプレッシャーに悩む。「現役強迫」だ。子どもは、親や学校や会社から「現役強迫」を受け取る。結果、ひきこもりの問題が深刻化することもある。

 

 テレビや広告で流布されている家族神話がある。夫婦や親子は愛情の絆で結ばれているという。この神話に覆い隠されて、ブラックボックスは見えづらい。とくに「現役人(現役で働いている人)」の関心は、市場にあるので、ブラックボックスをいっそう認識しづらいかもしれない。一方、「退役人」として心眼の発達しているひきこもりの人には、見えていることが多いかもしれない。

 

 現役としての市場。退役としての家庭領域。そして病気や障害。すべての関連を、ひきこもりのブラックボックスを通して捉えることができれば、私の体験も、無駄にはならない。

 家父長制についての知を深めれば、「愛」のヴェールの糸目が見えてくるかもしれない。立ち直りたいと、強く願う。

 

睡眠日記

睡眠日記


睡眠日記

 うまく眠れなくなって5カ月が経つ。2月から毎日、Wordで睡眠日記をつけている。睡眠に成功した日は数行で済むが、格闘した日は数十行にもなる。

 画像(下)は3月某日のもの。就寝・起床時刻、横になっていた時間、眠れた時間、眠りの深度、睡眠と格闘している間の思考、イメージ、夢、行動などを細かく記録する。失敗や成功を検証し、よりよい睡眠に近づけるべく試行する。

 睡眠は健康の要。とはいえ、膨大な労力と時間をかけている。正直、やりすぎていると思う。自分の身体をコントロールすることで、コントロールされることに対抗する、拒食症のような心理が働いているのかもしれない。

 書いて書いて書きまくると、意識・無意識の氾濫を消化できる。徐々に安定し、先月、ようやく熟睡できる日が増えてきた。うまく眠れると、精神的、肉体的な満足感がある。ふつうに眠れることが、これほどありがたいとは。

 最近、蒸し暑くなってきた。扉を開けざるを得ない日は近い。音への不安が増し、睡眠はまた不安定になっている。(1)睡眠日記、(2)防音対策、(3)医者探し、(4)服薬、(5)慣れ(一つひとつ音を記憶する)を試行している。