地底の声

天寧煌子の文章置き場(主に詩)

鍵を知る者 ―ドナ・ウィリアムズに贈る―

鍵を知る者よ 教えてほしい

わたしがなぜここに 繋ぎ止められているのか

母なる器

痩せ果てた大地の封印に

縛めを解く 型はどこに

秘匿されているのか

 

  ――組み敷かれた魔方陣

  ――解けない鍵穴

 

ふたつでひとつのからくり

片割れを抱えている あの雲に

差し伸べる大地の稲穂が

なぜ届かないのか

わたしはひとりで

硬い土に水をやり

稲穂を鍵の凹凸に変えようとする

けれども鍵は ふたつでひとつ

雲は 持ち去ったまま

 

鍵を知る者よ

あなたはあなたの頭上へ

あなたの長身よりも遙かに

振り解いていった

縛めを解く 型となって

母なる器はあなたを飲み尽くしたあと

久遠の沈黙にばら撒いて

ふたつでひとつのからくりを

無数に降り注いだ

 

  ――蒼穹の歌声

  ――粒子の遠来

 

鍵を知る者よ 教えてほしい

痩せ果てた大地を 脱ぎ捨てる

鍵の あなたの

遍く在処を

 

 

追記:スターありがとうざいます!