地底の声

世の中からズレてる人の書いたもの(詩・エッセイ・日記など)

2017-01-01から1年間の記事一覧

詩:誤解

「なんともない」よう取り繕った技巧の数々が 「目立たぬ」よう塗りたくった保護色の数々が 「人並みになる」よう蓄積した知識の数々が 「悪いところを直す」よう訓練した反射神経の数々が 「まともになる」よう刻苦精励した経験値の数々が ふつうを演じた手…

詩:瞑目に花開く安息

瞑目に花開く深い蒼闇 華やかな陽光を避ける陰の溜り 青緑の草触れる音囁く涼風 人知れず止まる足跡 ここへ・・・ 不安と後悔と自責を置き 虚ろな思いを沈め埋める 壊れた悲しみを振るい 埋もれた記憶を汲み出だす 静寂に鳴る夜微笑に想溢れ満ちる安息 (201…

詩:ほんとは君を恨んでいるんだ

怒りの炎に鎮魂を 微かな火の粉は消滅しても 握りつぶした業火は 掌から放たれ再び羽ばたく 君たちに注ぐ穏やかな眼差し 目の奥に眠る揺るがぬ記憶 気づけば内向いて打ち殺す 憎き自分に制裁を・・・ 握りつぶした業火は 再び燃え盛り鞭を捕る 「ほんとは君…

詩:barrier

barrierが邪魔をするんだ 僕の前に 自分を守るために囲い込んだ 皮膚と生理が蛹のように覆った 冷たく硬い殻 barrierが足りないんだ 僕のまわりに 溢れる音を拾い集め調節し 肉体と精神を脅かすものから 均衡を保つ把手 barrierが重いんだ 僕の心に 不安と恐…

詩:世界

巨大なうねりが追いついて 身体を包み込んだけど 私に触れることはできない 閉ざされた2つの扉 帰ろうときびすを返す でももうそこには何もない 見捨てられた赤子のように まっさかさまに落ちていく "はざまの世界"へ・・・ ありのままにあるうねり ぼやけ…

詩:limit

溢れる刺激が手のひらを超え 容器の目盛を突き破る 一つ、二つ、三つ・・・ 縦横無尽の熱気揺らぐ昼刻 満ち零れた信号 乱れる均衡に陰る鮮やかさ 手招きする惑乱に目を汚す ひとつところに癒着する意識 固定する視線が高見の旗を狂わせる 混沌の渦に崩れた片…

詩:実在発現病的顕在

お前の上に落としてやる 忘れられないんだろう? だったら爆弾にもなるさ 信じるからこそ見てるのさ 実在発現心夢想病的顕在 避け隠れるようになったね どこまで逃げるつもり? 雷はいつ何時でも降り注ぐ 誰にも見えない存在の幻を お前自ら輪郭を与えている…

詩:反復の安楽と葛藤

生まれたときからここにいた 同じ道順を行ったり来たり あちらこちらに自分の足跡 両側にそびえる壁は 安楽の砦を築いていた 蟻の行列のように 列から外れることはできない 同じ道筋しか歩けない 自分の足跡が踏みしめられた 永遠の反復と往復の快楽 それで…

詩:自分だけの、ただ自分だけの課題

見るも触るもおぞましいのは いつでも自分のみにくい傷口 自分だけが抱えなければいけない「課題」 その場しのぎでかわすこともできるけど 影は必ず追いすがり立ちはだがってくる クリアーしたら次の新手があらわれる 大なり小なりそのつど程度は違うけれど …

詩:遭難者のわがまま

まな板の上の魚をさばく手つきで 君は器用に問題を分析して 誤りのない正しい道を指し示した そのとおりだとわかっているから 大人しく引き下がって対策を立てよう でも忘れないでくださいね 流れた涙のあることを 地図に引かれた線路のうえに 走る列車の列…

詩:こだわりのむすびめ

ころんでぶつかってひっかかって むすびめふやしてこだわって ほどこうともがいてつまづいて ながしなさいわすれなさいと かんたんにひとはいうけれど たくさんのがぞうやきつけられる たくさんのきおくがいきつづける あたまのみょうにかっせいかした へん…