地底の声

世の中からズレてる人の書いたもの(詩・エッセイ・日記など)

2022-03-15から1日間の記事一覧

詩:空孔

――空孔ヨ、私ヲ呼ベ 魂鳴りの奥の 重心に居座る カルデラは巨きく 火口を開き 肉厚の ヒタヒタ震える 深淵、爆発の呼気の 発炎筒に 空隙の椅子は 背を待っていた ――空孔ヨ、私ヲ満タセ ある時 君が座ると 日溜まりは注がれ カルデラの口を埋めた 背凭れの形…

詩:祈り

神よ たとえあなたが見えなくなっても この祈りを許してください 神よ たとえあなたの声が聞こえなくとも この祈りを聞いてください 神よ たとえあなたがいなくなっても この祈りを残してください 神よ たとえあなたがまぼろしであっても この祈りを届けてく…

詩:回帰

硬く鋭く 己を掘り出す鑿の刃先は 絶つことによってしか 永遠に 我が骨に到達できないであろう (2016.11.28)

詩:記憶(Voice of the trauma)

かすかなひび割れの底から地獄が這い出してきた。 平静の裏に押し込めた記憶が悲鳴とともに躍り出て。 塔から見つめる暗闇は彼方まで続いていた。 声にならない唸りを上げて、ぞろぞろと列をなしていたのだ。 ここまできてはいけないよ、時々見張っているけ…