地底の声

世の中からズレてる人の書いたもの(詩・エッセイ・日記など)

私の詩について

「汚れ役」

 

昼の憧れ

鈴のように歌い

喜びの音を 軽やかに鳴らす

しかし絵筆は それ以上の仕事をしてはくれない

わがことにあらずと そっぽをむく

 

夜の苦しさ

心の澱にうごめく闇を

すくい取るのは きまって言葉の役目

絵筆の放棄した仕事を

拾っては投げつける

 

絵筆にできない汚れ役

絵筆に描けない汚れ役

 

 

◆暗い詩

 私は、詩のほかに絵という方法で自己表現することがあります。その際、明るさ・希望などのポジティブイメージは絵に出て、暗さ・つらさ・絶望などのネガティブイメージは詩(言葉・文章)に出ます。逆はあまりありません。暗い絵も、明るい詩もあまり書・描きません(かけません)。

 私にとって文章は、自分の中にある心の病み・闇をリアリスティックに描き出すことで自分自身を癒す役割を負っています。だから、この詩ブログは、どうしても暗いイメージが優勢になります。

 また現実生活では、切迫した状況で葛藤していることが多く、そうした現状をありのまま描き出そうとして、希望がなく痛々しい描写をしがちです。明るい空想の世界で自由に遊ぶよりも、出口のない苦境をリアルに再現することで、自分を救いたい気持ちが強いのです。

 

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 「異端者の詩」

 

平均からかけ離れた

特異なる感性を掲げる異端者ゆえに

人類とは共通点少なく

その文学に共感すること少なくして

わたしの詩にも

意味不明の受け入れがたき襞が

他人をして立ち入らせないであろうことは

想像に難くない

 

しかしこの文字の羅列は

たとえば桜散る情緒を

杯を交わす連帯に招待する手紙ではなく

わたしが生きた一篇のあかしであり

心象と語彙の稚拙に足掻きつつも

ひとりでに刻みつけずにはいられなかった

まったく我流の営みである

 

どうかわたしの詩を

わずかなりと感性の近しい奇特なる読者に

発見してもらいたいと心に願う

 

 

◆独特の感性

 私は、独特の感受性を持っています。ものの見方や感じ方が多くの人と異なる場合が多いのです。それゆえ他人に共感しづらく、他人もまた私に共感しづらいこともあるでしょう。読者が私の詩を読むと、ひとりよがり、意味不明、理解しがたいと感じるかもしれません。

 

 以上のようなわけで、私の詩は決して万人受けはしませんが、まさに経験が独特であるがゆえに、文字を刻まずにはいられなかったのです。

 内容が伝わる読者が存在すれば、私にとってこの上ない喜びです。