〈特殊〉と〈一般〉のはざまで ―文芸社の講評に寄せて―(2)
オーダー・メイド
私が直面している発達障害の問題もそうである。
私の問題と需要を解決できる情報が、世の中にはない。世の中の問題と需要を解決できる情報が、私の中にはない。私の問題と需要は、世の中の問題と需要とは重なり合わない。“ちょっと”はあるかもしれないが、微々たるものである。
だから私は、何を書いても「所詮、自分のオーダーメイドにしかならない」という虚しさを、たびたび感じる。自分の問題とその解決策が〈特殊〉すぎて、ほかの人に「使えない」。ほかの人の問題とその解決策が、私の〈特殊〉な問題に合わず、「使えない」。
社会のあらゆる場所で、私はそう言われてきた。「〈特殊〉なあなたに合った場所は、情報は、解決策はない」と。
ある人は言った。「それでも自分の問題を考えるのは大事だ」と。その言葉を胸に、延々と、自分の〈特殊〉な問題を考えてきた。